介護職は要支援者の食事や排泄などの生活援助を行うため、高齢者や障害者の施設などで働く現場の仕事がメインになる。要支援者の自宅で介護を行う訪問介護という形態もあるが、いずれにしても事務仕事より身体活動の伴う重労働が多く、腰や背中を傷める職員が少なくない。若いうちはこうした重労働に耐えることもできるが、高年齢になっても勤務を続けることは難しい。
また、要支援者は高齢や障害のため心的ストレスを抱える者もおり、介護職に対し理不尽な要求をすることもある。支援対象者から暴言を吐かれたり暴力を振るわれたりすることもあり、介護職の悩みの種となっている。
そこで、介護職はキャリアアップを図って心身の健康を保持する手段を模索している。介護職には介護福祉士の資格を有する者も多い。ただし介護福祉士も現場職員の仕事をする点では変わらず、心身を傷めるリスクを負っている。
そこで目指すのはケアプランを作成して支援を行うケアマネージャーや、要支援者に行政サービスを紹介する社会福祉士である。いずれも同じ福祉業界で自分の実務経験が生かスことができ、相談業務に転じることで身体的負担を減らすことも可能だからである。
社会福祉士の資格があれば、社会福祉主事の公務員採用試験を受験できる。社会福祉主事はケースワーカーとも呼ばれ、生活困窮者や独居老人に公的支援を提供する仕事がメインになる。ケースワーカーも心理的負担が小さいとは言えないが、重労働から解放されるので介護施設で介護職を続けるより身体的負担が少ないと言えよう。